男性の出生時育児休業制度は「産後パパ育休制度」という名称です。
令和4年4月1日から3段階にて施行される育児・介護休業法の改正ポイントのリーフレットが令和3年9月末時点での省令・告示の内容を追加した新しいバージョンにて厚生労働省のウェブサイトで公開されております。
実は私も2019年息子の出生時に育児休業を5か月間取得いたしました。
コロナ環境下のテレワークで夫が家にいることによるストレスのお話もございましたが、私自身は妻からお願いをされたこともあり、また、制度についても社労士資格の勉強中という事もあり、多少なりと詳しかったことも取得の後押しにはなりました。
そういう意味では多くの男性社員の方に育児休業は利用して欲しい制度だとは思っておりますが、これが事業主様から見てみれば度重なる改正で頭を悩ませることになるかと思います。
育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(※厚生労働省ウェブサイトより)
https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000789715.pdf
主な改正の施行スケジュール
今回の育児・介護休業法のポイントは仕事と育児を両立できるように、産後パパ育休制度の創設、雇用環境整備、個別周知・意向確認の措置の義務化などです。
今回更新されているリーフレットの内容は非常に整理がされておりますので、主な改正の内容はリーフレットを確認していただければと思いますが、施行スケジュールを整理いたしますと以下のようになります。
2022年4月~ | 2022年10月~ | 2023年4月~ | |
---|---|---|---|
雇用環境整備の義務 | 施行 | ⇒ | ⇒ |
周知・意向確認措置の義務 | 施行 | ⇒ | ⇒ |
有期雇用労働者の要件緩和 | 施行 | ⇒ | ⇒ |
産後パパ育休の創設 | 施行 | ⇒ | |
育児休業の分割制度 | 施行 | ⇒ | |
育児休業取得状況の公表義務化 | 施行 |
結構時間があるようで無いような微妙な準備期間しかありませんのでご注意ください。
現行育児休業制度との比較
リーフレットにもありますが、育児休業の分割取得に関しましては取得しやすいように非常に柔軟化されます。以下比較表です。
現行育休制度 | 育休制度 2022年10月~ | 産後パパ育休 2022年10月~ | |
---|---|---|---|
対象期間・取得可能日数 | 原則子が1歳(最長2歳)まで | 原則子が1歳(最長2歳)まで | 子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能 |
申請期限 | 原則1か月前まで | 原則1か月前まで | 原則休業の2週間前まで |
分割取得 | 原則分割不可 | 分割して2回取得可能 | 分割して2回取得可能 |
休業中の就業 | 原則就業不可 | 原則就業不可 | 労使協定を締結している場合に限り、 労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能 |
1歳以降の延長 | 育休開始日は1歳、1歳半の時点に限定 | 育休開始日を柔軟化 | ※※※※※ |
1歳以降の再取得 | 再取得不可 | 特別な事情がある場合に限り再取得可能 | ※※※※※ |
就業規則等の見直しと労使協定の締結が必要な場合も!
具体的なことはリーフレットにも記載がありますが、それぞれの改正内容によっては就業規則の見直しや労使協定の締結の必要があるものもあります。
例えば、有期雇用労働者の要件緩和の場合、雇用期間が1年未満でも取得可能とはなりましたが、現行の無期雇用労働者と同様に、労使協定の締結により除外することは可能となります。
同様に産後パパ育休での休業中の就業は労使協定の締結が必要となっておりますので併せての確認が必要です。
また、2020年6月より施行されているマタニティハラスメントの防止措置義務にて「職場における妊娠・出産・育児休業に関するハラスメントの原因や背景となる要因を解消するための措置」という事が義務付けされております。例えば休業を取得することによる業務負担の増大による周囲労働者への業務負担への配慮などですが、今回の育児・介護休業法の改正はその点と併せて総合的に考える必要がありそうです。
151社労士オフィスでは就業規則の見直しを行っております。
当事務所では就業規則の見直しも行っております。
措置の未実施は仮に問題が発生した場合にはマイナスの要素となってしまいます。そのような問題発生の未然の防止のために、見直し等は必要になりますが、中々、就業規則の見直し対応の時間が取れないという事業主様は是非ご相談ください。