「就労条件総合調査」のグラフを作ってみました。

令和3年の 「就労条件総合調査」 が公表されましたが、数値ばかりでちょっと分かりにくいですよね。
「そんな資料を見るのが面倒!」というあなたのために主なものだけ簡単に数字とグラフを作ってみました。
今回は労働時間制の第1回となります。
予定では、この後労働時間制の第2回、賃金制度・労働費用編と続く予定です。

【労働時間制編-2】令和3年「就労条件総合調査」のグラフを作ってみました
https://151sr.com/20111112-02/

【賃金制度編+労働費用編】令和3年「就労条件総合調査」のグラフを作ってみました
https://151sr.com/20211112-03/

この資料の数値ですが、企業の皆様であれば一般的な数値を知ることで自社の働き方をどのようにするかという事を考えるために。また、社労士試験の受験生であれば奇問難問の「労一」の対策には少しは役立つかな?っと思います。

ただし、グラフはものによってはモバイル端末での表示が良くない可能性がございますので、そのような場合にはお手数ではございますが、PCで閲覧をお願いいたします。
また、統計の内容は同じように書いてありますが、グラフの作成に関しましてはパターンが違います。
……すいません、途中から作り方変えました。

もし、他のパターンのグラフが見たいという事でございましたらリクエストください。

各グラフの左上に「CSV]と「Download」と表示されておりますが、こちらをクリックすると「CSV」はCSVデータ、 「Download」 は画像がダウンロードできますので、資料を作成する際にお役立ていただければと思います。

ここで使っている数値のまとまったものが必要であれば、送付させていただきますのでお気軽にご連絡ください。(当然、お金は要りませんのでご安心を!)

グラフの作成は全て厚生労働省発表の「令和3年就労条件総合調査の概況」の数値より作成いたしました。

令和3年「就労条件総合調査」の結果が公表されました。

そろそろ本題へ……

厚生労働省より、令和3年「就労条件総合調査」の結果が公表されました。
この調査ですが、民間企業における労働時間制度、賃金制度などの就労条件を総合的に調査したもので、いうならば、一般的な企業の就労条件が分かるという優れものの統計です。
今回の調査では常用労働者30人以上の6411社を抽出し、令和3年度1月1日現在での状況について、4013社からの得た有効回答にて統計を作っております。

通常、事業主・経営者や企業の人事労務担当者って他社の状況であるとか、平均的な数値ってあまり分からないと思いますので、知識として、また、従業員の皆様におかれましては、自社の就労条件がどのような感じなのかを確認するには良い統計となっておりますので、是非ご確認ください。

令和3年就労条件総合調査 結果の概況
※こちらのページにて、以下にあるPDFも含め全ての資料のリンクがあります。図表データのエクセルファイルもありますので、プレゼンなどを作成するときにはこちらからダウンロードができます。
(厚生労働省ウェブサイトより)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/index.html

令和3年「就労条件総合調査」 報道発表用資料
(厚生労働省ウェブサイトより)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/houdou.pdf

令和3年「就労条件総合調査」 概況
(厚生労働省ウェブサイトより )
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/jikan/syurou/21/dl/gaikyou.pdf

労働時間制度編 【第1回】

1日の所定労働時間平均(※この資料だけダウンロードできません。)

  • 1企業平均 7時間47分
  • 労働者1人平均 7時間46分

週の所定労働時間の平均は1企業平均「39時間25分」、労働者1人平均では「39時間04分」です。
産業別にみると「金融・保険業」が38時間19分で一番短く、「宿泊業・飲食サービス業」が一番長く「40時間03分」となっています。
……ここで一般企業にお勤めの方は「40時間03分っておかしくね?」と思われるでしょうが、一応、常時10人未満の事業場の場合 「宿泊業・飲食サービス業」 は週44時間までの例外が認められていることからかと思います。(「特例措置対象事業場」といいます。)

*週所定労働時間の横軸の数値が24少なくなっていますが、どうにも直らなかったので、グラフにマウスポインターを当てますとツールチップが出ますので、そちらで確認してください。

週休制

  • 何らかの週休2日制を採用している企業 83.5%
    • そのうち完全週休2日制を採用 48.4%
    • 完全週休2日制より休日日数が実質的に少ない制度 35.0%
  • 完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度 8.5%

この「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」の割合が結構あるんですね。まさに「ライフワークバランス」。なお、「完全週休2日制より休日日数が実質的に多い制度」とは、月1回以上週休3日制、3勤3休、3勤4休などを指すそうです。

年間休日数

• 1企業平均年間休日総数 110.5日
• 労働者1人平均年間休日総数 116.1日

やはり、企業規模が小さくなると休日が少なくなりますね。
100人未満の企業の平均と1000人以上の企業では、約7日間の差がありよくよく考えますと、年間の土日の数は2021年の場合104日、土日に重ならない祝日と振替休日は15日ありましたので、普通に休めば119日ある事になるのですが……まぁ変形労働時間を採用している企業も多いかと思いますので、このぐらいかな?

年次有給休暇

  • 労働者1人平均付与日数 17.9日
  • 労働者1人平均取得日数 10.1日

この数値を見ると結構とっているんだな~なんて思いますが、これって計画的付与の部分も含まれているんですよね?多分。

という事で、その下にある年次有給休暇の計画的付与制度の有無の割合を見ると、制度がある企業の合計が「46.2%」あるんですね。

  • 年次有給休暇の計画的付与制度がある企業 46.2%
  • 年次有給休暇の計画的付与制度がない企業 53.8%

特別休暇制度の有無

  • 特別有給休暇制度がある企業 59.9%
  • 特別有給休暇制度がない企業 40.1%

特別休暇制度っていうと「うちには関係無い!」と思う方もいらっしゃるでしょうが、統計を見ますと夏季休暇もそれにあたりますため、結構該当する企業はあると思います。
個人的にはもっとあるのかな? と思いましたが、確かに宿泊業・飲食店等のサービス業はこのような纏まった休暇ってとりにくいですよね。

制度のある企業での特別休暇の種類はこんな感じです。(複数回答)

という事で、先ずは労働時間制度の第1回でした。
労働時間制度の第2回もよろしければご覧ください。