2024年2月より、テールゲートリフターの特別教育が義務化
「テールゲートリフターの操作に係る特別教育」が令和6年2月から義務付けられました。
……で! 既に特別教育を完了している皆様にどうでも良い話題かもしれませんが、この事務所のウェブサイトにて、「特別教育の講師・インストラクター講習を修了しました」というお知らせを公開しておりますが、このサイトに訪れる方で「テールゲートリフター」・「特別教育」・「社内」というワードで検索されている方がある一定数いらっしゃるため、既に施行はされているものではございますが、今回その内容について投稿をしようと思います。
特別教育って何?
厚生労働省のウェブサイトには特別教育について以下のような記載があります。
一定の危険・有害な業務に労働者を就かせるときは、事業者は、その業務に関する安全または衛生に関する特別の教育を行わなければなりません(労働安全衛生法第59条第3項(特別教育))。
厚生労働省ウェブサイトより
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/anzeneisei10/qualificaton_education.html
つまり今回、テールゲートリフターの操作について、特別教育が義務化されたという事は、テールゲートリフターが「一定の危険な業務」という事になるという事です。
なお、特別教育はテールゲートリフターだけではなく建設業でおなじみのフルハーネスなどもこれにあたる事になります。
特別教育の一覧については以下厚生労働省のウェブサイトにて、一覧がダウンロードできますのでご確認いただければと思います。
特別教育は社内で出来ないのか?
そして、多くの方の興味は「特別教育は社内で出来ないのか?」というところにあります。
結論から言えば、厚生労働省のサイトに以下のような記載があります。
危険・有害な業務に労働者をつかせるときに事業者が行わなければならない教育です。教育の内容は法令で定められており、教習科目について十分な知識、経験を有する者が講師となって行う必要があります(昭和48年3月19日付け基発第145号等)。事業者は外部機関が実施する特別教育を受講させることができますが、外部機関は特別教育を実施するのに当たり各都道府県労働局の登録を受ける必要はありません。
厚生労働省ウェブサイトより
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/roudoukijun/anzeneisei10/qualificaton_education.html
……ん? なんのこっちゃ分からん。
その通りですので、チョット箇条書きにしましょう。
- 危険・有害な業務に労働者をつかせるときに、事業者が行わなければならない教育である
- 教育の内容は法令で定められている
- 教習科目について十分な知識、経験を有する者が講師となって行う必要がある
- 外部機関が実施する特別教育を受講させることができる
- 外部機関は特別教育を実施するのに当たり、各都道府県労働局の登録を受ける必要はない
1番・4番・5番については、まぁ、良いとして2番・3番の項目をちょっと説明しますと
教育の内容は法令で定められている
特別教育の内容については法令にて定められております。
因みに、テールゲートリフターの特別教育の場合は以下のようなカリキュラムとなります。
……結構大変ですよね。
学科4時間、実技2時間の合計6時間です。
もちろん、一部省略できるケースもありますので、その点は最寄りの労働基準監督署に問い合わせいただければと思います。
教習科目について十分な知識、経験を有する者が講師となって行う必要がある
問題はこの部分、
「教習科目について十分な知識、経験を有する者が講師となって行う必要がある」
というのは、いったいどういう人なのか?
きっと、専門の講習を受けた人だけがなれるんだろうなぁ……だって、外部で特別教育有料で受けられるんだよ……と思われますが、実は特別教育の講師としての資格は「ありません」というのが結論です。
上記のカリキュラムを説明するために必要な知識と経験があれば、これといった資格は必要ありません。
「え! そうなの!」
……と思われるかもしれませんが、実はそうなんです。
特別教育を社内で行うためには
「……という事は社内で操作に詳しい人が講師になればいいんだ!!」
結論から言えば、その通りです。
ただし、問題はその操作に詳しい人はカリキュラムの中で「関係法令」まで、各自に十分な知識を持っているならば問題ありませんが、十分な知識がないならば、それは法律の要件を満たさないことになります。
もちろん、外部機関の講習を受ければ問題はありませんが、それでも頑なに社内で講習をしたい!
……ではそんな場合はどうするのか?
テールゲートリフターのメーカーに相談をしてみる
テールゲートリフターのメーカーと言えば「極東開発工業」と「新明和工業」が主だったところではありますが、もし、メーカーへのルートがあるならば相談をするのも一つの方法かと。
もっとも、大企業なら応じてはくれそうですが、中小企業だと……
というのも正直なところかとは思います。
他社にいる十分な経験と知識を持った人に依頼する
これは結構あるケースではないかと。
企業間の繋がりの中で十分な知識を持った人がいるのではないかと思われます。
そんな時は、他企業ではありますが、交流も兼ねて来ていただいて特別教育を行うのも一つの方法です。
特別教育の講師・インストラクター講習を受講する
会社の安全担当者や運行管理者などに特別教育の講師・インストラクター講習を受けてもらい、十分な知識を学習してもらうというのもありです。
この場合の利点は、何しろ特別教育の日程調整が非常に楽という事があります。
外部の特別教育もそうですが、中々自社の仕事の閑散期であるとか、一度に社員を集められないという事もありますが、この点、社内の人間が講師となりますと、日程の調整は自由に行えることとなり、仕事への影響も最小限に抑えられます。
とにかく、早く終了させましょう!
注意点すべきことですが……
この特別教育について、労働安全衛生法では、緑ナンバーと白ナンバーは区別されません。
白ナンバーのトラックでも特別教育は必要となります。
また、トラックの最大積載荷重の規程はないので、軽自動車のトラックでも特別教育は必要です。
つまり、運送業では無いがテールゲートリフターを使用する場合も特別教育は必要です。
既に2月より始まっているこの特別教育の義務化ですが、実際には間に合っていないというお話を聴くことがあります。
もし、まだ特別教育を行っていない事業者様!
事故があってからでは目も当てられません。
いずれの方法でも構いませんが、早めに終了をしていただく事をお勧めいたします。